米格付け大手のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とフィッチ・レーティングスは1日、ブルガリアの信用格付けを引き上げた。経済好調や対外債務の減少、財政赤字の削減などが評価された。
S&Pは「BBプラス」から「BBBマイナス」へ、フィッチは「BBBマイナス」から「BBB」へ格付けをそれぞれ1段階引き上げた。見通しはいずれも「安定的」。
S&Pは、輸出拡大や経済における自己資本比率の上昇で、ブルガリアの信用力が強まったと評価した。基本的に2年以内の格付け見直しはない見通しだが、◇金融部門の不良債権が減少を続け、通貨政策の柔軟性が向上、かつ財政が予想以上に改善して準備金が増加◇ブルガリアが欧州為替相場メカニズム(ERM2)に参加――などの場合には格上げもありうる。一方で対外収支の悪化や景気減速、財政赤字の拡大があれば格下げする可能性がある。
フィッチは国内総生産(GDP)に対する対外債務比率の低下が信用力を強化したと評価。2019年まで同比率で25%以下を維持すると予測する。国内金融部門の偶発債務リスクも縮小したと判断している。