2017/12/13

総合・マクロ

ロシア天然ガス2位のノヴァテク、北極圏でLNG生産を開始

この記事の要約

ロシア第2位の天然ガス会社ノヴァテクは8日、北部のヤマル半島で液化天然ガス(LNG)の生産を開始し、サベッタ港から初出荷した。年産能力は550万トン。2019年までに1,650万トンへ3倍化する。北極圏でLNGターミナル […]

ロシア第2位の天然ガス会社ノヴァテクは8日、北部のヤマル半島で液化天然ガス(LNG)の生産を開始し、サベッタ港から初出荷した。年産能力は550万トン。2019年までに1,650万トンへ3倍化する。北極圏でLNGターミナルが稼働したのはこれが世界で初めて。

ノヴァテクは「ヤマルLNG」プロジェクトで合計3本の生産ライン設置を計画しており、今回、最初のラインが稼働した。北東航路を経由し、アジア方面へ出荷する。

また、オビ湾を挟んでヤマル半島の東に位置するギダン半島では「アークティックLNG 2」プロジェクトを進めている。2023年に生産ラインが始動し、フル稼働時には年1,800万トンのLNGを出荷する予定だ。

ロシアは資源大国として世界市場で重要な位置を占めるが、LNGに関しては出遅れている。天然ガス最大手のガスプロムのLNG設備はサハリンのみで、年1,080万トンの生産にとどまる。

ノヴァテクが進めるプロジェクトがフル稼働する7~8年後でもロシアの生産能力は合計4,500万トンと、最大のLNG輸出国であるカタール(現行7,700万トン、5~7年以内に1億トン)に遠く及ばない。それでも世界市場で無視できない地位を確保するには足りそうだ。