米航空機大手ボーイングは先ごろ、トルコの航空宇宙産業の発展を促進する「国家航空宇宙イニシアチブ」に向けた取り組みの詳細を明らかにした。トルコ政府の防衛関係部局の支援を受けて航空産業開発計画を作成するほか、工学技術開発センターや地域飛行訓練センターなどを国内に設置し、航空宇宙分野の発展を目指す政府の政策を後押しする方針だ。同イニシアチブは今年9月のエルドアン大統領の米国訪問時に明らかにされていた。
ボーイングの計画は政府が掲げる同国の発展計画「2023ビジョン」に合わせたもの。同ビジョンは建国100周年を迎える2023年に国内総生産(GDP)で世界10位、1人当たりGDPは2万5,000ドル、輸出額5,000億ドルといった野心的な目標を掲げている。
トルコ投資促進機関(ISPAT)のエアムート総裁はボーイングの発表に際し、「この計画の効果とそれに付随して派生する付加価値は、従来の工場に対する投資をはるかに上回るものだ。我々は特に技術移転と輸出型の製造業を重視している」と話した。
トルコ日刊紙『デイリーサバ』によると、ボーイングは同国の企業から毎年1億6,000万ドル分を調達しているほか、投資残高は16億ドルに及ぶ。国内における協力先には、トルコエアロスペースインダストリーズ(TAI)やカレ・アエロ(Kale Aero)、国内に工場を持つ独PFW、航空機メンテナンスのターキッシュテクニックなどがある。