ロシア中央銀行は15日、主要政策金利の7日物入札レポ金利を8.25%から0.5ポイント引き下げ、7.75%とすることを決めた。下げ幅は市場予測の0.25ポイントを大幅に上回った。
利下げは今年6度目。18日から新金利を適用する。インフレの鈍化が続き、経済成長も見込まれることから、追加利下げに踏み切った。翌日物レポ金利と翌日物預金金利も0.5ポイント引き下げ、それぞれ8.75%、6.75%とした。
同国のインフレ率は2015年3月の16.9%をピークに縮小傾向にあり、11月は2.5%まで下がった。インフレ率が中銀目標の4%を下回るのは5カ月連続。中銀は2018年後半にインフレ率が4%の水準に戻ると見込んでいる。また、賃金上昇や世界経済の回復を背景に民間最終消費出が増加していることなどから、中銀は今年の国内総生産(GDP)成長率が昨年のマイナス0.2%からプラス1.7~2.2%に好転すると予測している。
中銀は声明で、「原油価格の変動や、人手不足に伴う賃金上昇率が生産性を上回ることなどによる中期的なインフレリスクが存在している」と指摘。2018年上半期中の利下げを視野に、これまでの「適度な引き締め」から「ニュートラル」な金融政策へ移行しつつ慎重に状況を見極めるとしている。