ブルガリアのゴラノフ財務相は11日、6カ月以内に欧州委員会に対し、欧州単一通貨ユーロの導入を正式申請する方針を明らかにした。導入の前提となる欧州為替相場メカニズム(ERM2)に参加する基準を同国がすでに満たしているほか、長年にわたり国内通貨レフとユーロの固定相場制を維持してきた実績を強調している。
ユンカー欧州委員長は、欧州連合(EU)の全加盟国がユーロを採用すべきとの立場で、ブルガリアの決断を歓迎している。一方、ブルガリアがEUで最も経済力の小さい国であることを理由に、ユーロ圏の一部の国では懸念の声も聞かれる。
ブルガリア政府によると、2017年の同国経済成長率は3.9%。財政収支は黒字で、国家債務の対国内総生産(GDP)比はEU加盟国でも低レベルの26.8%にとどまる。
ユーロ導入には、前段階となるERM2に最低2年間加わり、自国通貨の対ユーロ標準値の変動率を上下15%以内に抑えることが求められる。また、財政赤字、債務残高、インフレ率、長期金利の4項目で基準を満たす必要がある。