自動車部品・産業機器大手の独ボッシュはこのほど、自動車のスターターモーターや発電機を生産するロバート・ボッシュ・スターター・モーターズ・ジェネレーターズ・ホールディング(SG)の売却手続きを完了したと発表した。買収したのは中国の自動車部品会社である鄭州煤礦機械集団(ZMJ)と香港を拠点とする投資会社チャイナ・ルネッサンス・キャピタル・インベストメント(CRCI)から成る企業連合だ。これにより、ハンガリー東部のミシュコルツ工場も中国連合の傘下に入る。
SGは取引を機に社名を「SEGオートモーティブ・ジャーマニー」に改める。中国連合が取得するのは、14カ国にある全16拠点で、従業員数は8,000人に上る。このうち2,500人を擁するミシュコルツ工場は、新社名「スターターズ・Eコンポーネンツ・ジェネレーターズ・オートモーティブ・ハンガリー」のもと、既存事業を継続する。
ボッシュのスターター事業は、1914年に初の自動車用電気式スターターを発表して以来の長い歴史を誇る。しかし、同事業の赤字が続いていたことを受け、ボッシュは2015年、アジア・アメリカ事業拡大を視野に入れた提携や売却を検討すると発表した。昨年5月、5億4,500万ユーロで中国企業連合に売却することで契約に調印していた。