在来の鉄道事業者から線路を借りて列車を運行するチェコのレオ・エキスプレス(Leo Express)が今年、大幅な事業拡大を計画している。プラハをハブに、国内路線のほか、ドイツ、ポーランド、スロバキア、オーストリアへの運行路線・本数を拡大し、中欧の鉄道運行大手の一角を担う存在となることを目指す。
ドイツでは民間長距離バス最大手フリックスブスと提携する。これに伴い、ブランド名を「ロコモア(Locomore)」から「フリックストレイン(Flixtrain)」に変更する。従来のベルリン―シュツットガルト線に加え、12月からベルリン―プラハ線を1日6往復運行する方針だ。
ポーランドでは来月1日からプラハ―クラクフ線を週3往復運行する。8月からは1日1往復、12月からは1日2往復に増やす計画だ。プラハ―ヴロツワフ線も週末2往復を運行する。
スロバキアではプラハ―ブラチスラバ線を6往復運行する。うち3往復はブルノを、その他はオロモウツを経由する。既存のプラハ―コシツェ線も1日3往復に増やす。
オーストリアではプラハ―ウィーン線を6往復運行する。ここでもブルノ経由とオロモウツ経由が3往復ずつとなる。
国内では、プラハ―カルヴィナ線を1日8往復、プラハ―スタレー・ムニェスト・ウ・ウヘルスケー・フラディシュチェ線を5往復に増便する。
レオ・エキスプレスはシュタッドラー製「クラス480」5両を運行している。年内に中国中車(CRRC)に発注した6両編成車3両が納入される予定だが、アルストムのディーゼル列車「リント」やシュタッドラーの連接式車両「GTW」をリースし、機材の拡充を図る。
レオ・エキスプレスは2010年の創立。国内およびスロバキア事業では黒字を確保しているが、ポーランド、ドイツ事業で赤字が続き、2016年には1億1,000万コルナ(430万ユーロ)の営業赤字を計上している。(1CZK=5.13JPY)