中国華信能源、ロスネフチ株買収取引に遅れ

中国の民間資源・投資会社、中国華信能源(CEFC)がスイスの資源商社グレンコア及びカタール投資庁からロシア石油最大手の国営ロスネフチの株式14%を90億米ドルで買収する計画に、遅れが出ているもようだ。中国格付大手の中誠信国際信用評級(CCXI)によると、買収資金を大きく借入に頼る必要があるなかで、CEFCの叶簡明社長が上海市当局の捜査を受けているとの情報が流れ、資金調達が難しくなっているという。

現地メディア・財新伝媒によると、CEFCの子会社でロスネフチ株取得の主体となる海南華信国際控股の企業登記で、同社が昨年12月と今年2月の2回にわたり、債務株式化の形で国有金融機関の中国華融による出資を受け入れていたことが判明した。これにより、海南華信は資本金が約60%増加。華融の出資率は36%となり、海南華信の株主は華融と上海華信(CEFCグループ)の2社のみとなった。やはりCEFC傘下で、以前は株主であった華信国合の名は消えた。

CEFCの叶社長の行方が確認できないことも重なって、習近平体制強化に伴う特定民間企業の引き締め策ではとの憶測も広がる。

ただ、ロスネフチ株の取得に関しては、最終的に国家開発銀行が保証する見通しで、流れることはなさそうだ。それでも、売り手である資源商社グレンコアの債務償却計画などに影響が出るとみられている。

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