露大統領選でプーチン氏が圧勝、得票率77%

ロシアで18日行われた大統領選挙で、現職のウラジーミル・プーチン大統領(統一ロシア)が76.7%を得票して再選を決めた。通算で4期目となり、6年間の任期を満了すると24年の長期政権となる。スターリンを除くとソ連建国以来で最長の記録だ。欧米との緊張が高まるなかの圧勝で、国民の支持を内外に見せつける形となった。投票率は67.4%だった。

中央選挙管理委員会が19日、開票率99%の段階で発表した結果によると、プーチン候補は76.7%を得票し、2位のパヴェル・グルディニン候補(共産党)に約65ポイントの大差をつけて完勝した。2012年の前回選挙に比べても5ポイント近く得票を伸ばした。

長期政権の背景には、有力候補が出馬できない、メディア統制による情報・世論操作といった要因のほかに、野党同士の対立でプーチン氏以外の選択肢がないという事情がある。さらに、ソ連崩壊後に傷ついた国民の誇りを、プーチン大統領が対外強硬政策でいやしたことも見逃せない。実際、クリミア半島編入は国民の大きな支持を得ている。

英国に住むロシア人の元二重スパイとその娘が今月4日、ロシアの開発した神経剤にさらされ重体となった事件では、「ロシアが関与した可能性が極めて高い」とみる英国とロシアが対立。互いに外交官を国外退去処分にするなど緊張が高まっている。しかし、ロシアは国外から攻撃を受けると国内の求心力が強まる傾向があり、それもプーチン大統領の得票率を押し上げたもようだ。

大統領選への出馬を阻まれた反プーチン派筆頭のナヴァルニ氏は支持者に対し「抗議の意を示すためにボイコットを」と呼びかけた。それでも投票率はほぼ前回選挙並みで、反対派の影響力の小ささを感じさせた。

公正選挙に関連しては、以前の選挙と同じように、公務員を投票に動員したり、バスで団体を投票所から投票所へ運び、他人に成りすまして投票させるなどという不正行為が報告されている。

なお、プーチン大統領は2000年に初就任して2期8年を務めた後、3選連続を禁止した憲法に抵触しないようメドベージェフ現首相に大統領職を委ね、08年から4年間、首相としてロシアを統治した。同年には、12年以降の大統領任期を6年に延長する憲法改正を実施。12年選挙で復帰した。

形式的には4年の間をおいたが、実質的には18年間、プーチン政権が継続していることになる。24年までの任期を全うすると、スターリンの約31年に次いで2番目の長期政権となる。

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