スロバキアの「空飛ぶ車」メーカー、垂直離着陸機の開発加速

「空飛ぶ車」の開発を手掛けるスロバキアのエアロモービル(AeroMobil)は3月末、垂直離着陸を可能とする新型機「エアロモービル5.0VTOL」の開発プロジェクトを発表した。同機は電気駆動式の4人乗りで、後部のプロペラによる水平方向の推力と2つの水平回転翼により安全に離陸できる。同社では次世代の電気自動車(EV)に似た乗り心地の良さを提供するとしている。

同社は現在、離着陸距離の短い新型機「エアロモービル4.0STOL」の開発にも取り組んでいる。同期は燃費性能が高く、テスト段階では大半の垂直離着陸機の2倍以上となる最長700キロの航続距離を実現させた。

エアロモービルの共同創設者兼最高経営責任者(CEO)であるユーライ・バツリック(Juraj Vaculik)氏は「5.0VTOLで都市内の、4.0STOLで都市間の移動手段を提供する。専用の着陸ポッドを必要とする他社の垂直離着陸車両のコンセプトには限界があり、既存の道路インフラを活用するわが社の方針によって解決できる」と述べた。また、ダグラス・マックアンドリュー主任技術者(CTO)は「都市内・都市間の移動に必要な航続距離を持ち、全天候型で、『空飛ぶタクシー』の事業効率を最大化できる製品を提供する計画だ」と話した。

エアロモービルは「4.0STOL」の限定販売を2020年から開始する。「5.0VTOL」はインフラ整備や法規制の状況に沿いつつ、今後7~10年内の販売開始を目指している。

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