スロベニアの有力企業4社は3日、自動運転車の総合的な試験環境を共同で整備することで基本合意した。社会基盤省の支援を受けるほか、様々な分野の企業と提携し、自動運転機能だけでなく、インターネットに常時接続する「コネクテッドカー」をベースにした新技術の開発を進める。
提携するのは不動産開発のBTCとプロジェクト子会社AVリビング・ラブ、スロベニア高速道路公団(DARS)、スロベニア自動車協会(AMZS)の4社だ。まずは首都リュブリャナにある「BTCショッピングエリア」で全長11キロメートルの試験コースを整備し、AVリビング・ラブが運営する。その後、高速道路、市街地の順に試験エリアを広げていくという。
BTCでは、「自動車業界をメーカーが支配する時代は終わりを迎えつつある。今後はエネルギー業界や通信・情報技術(ICT)、金融業界など、否が応でも異業種企業が大きな影響を及ぼすことになる」とし、新しい移動(モビリティー)の形の模索に意欲を示している。
スロベニア政府は先月、ハンガリー、オーストリアの両政府と、次世代交通技術・車両の開発及び実地試験を共同で進めていくことで基本合意した。今回の合弁事業も、政府の新交通技術支援策の中に位置づけることができる。