配車サービス大手の米ウーバーは3月27日、スロバキアでの営業を中止した。ブラチスラバ第1区裁判所の判決に基づくもので、今後の戦略などは明らかになっていない。昨年12月にウーバーをタクシー業者と認定した欧州司法裁判所(ECJ)の判断を機に、同社は欧州市場でますます守勢に立たされている。
今回の裁判は、スロバキアのタクシー運転手が作る事業者団体OZKTが今年1月、「ウーバーの配車サービスは運転手も自動車もタクシーサービスの法的要件を満たしておらず、不当競争に当たる」として提訴したもの。第1区裁判所は原告の訴えを全面的に認め、ウーバーに対し、法的要件を満たさない限り営業を禁止する判決を下した。
ウーバーはこのところ、欧州で守勢に立たされている。欧州連合の最高裁判所に当たるECJが昨年12月、ウーバーを運輸サービス業者と認定し、タクシー業者と同様の扱いを受けるという指針判決を下したのを受け、各国政府が規制に動き出したためだ。同社は中欧ではチェコで先月、ウーバーが運転手に事業免許取得を義務付け、納税義務を果たすことなどの条件を受け入れた。