露ノバテク、印にLNGを初出荷

ロシア第2位のガス会社ノバテクは3月27日、同社が開発を進めている北極圏ヤマル半島の液化天然ガス(LNG)プロジェクトで、西部の南タンベイ鉱区からインド向けにLNGを初出荷したことを明らかにした。独立系ガス開発事業者として同国最大のノバテクは同地域でガス液化事業に取り組む唯一の企業。ヤマルLNGプロジェクトでは2019年までにLNG液化施設を3系列整備し、年間計1,650万トンの生産を目指している。うち1系列は昨年12月に稼働を開始し、対ロ制裁の対象であるにも関わらず米国に向けて出荷されていた。

南タンベイ鉱区における同社の権益は全体の50.1%。同社のほか、仏トタル(20%)、中国石油天然気集団(CNPC)(20%)及び中国政府が設立したシルクロード基金(9.9%)が権益を持つ。北極海沿岸のヤマル・ネネツ自治管区は世界最大規模の天然ガスの産出地で、世界全体の生産量の約16%、ロシア全体の80%を占める。

ノバテクは2030年までに年産量を7,000万トンに引き上げて世界最大の天然ガス会社となることを目標とし、特にアジア諸国への販路拡大を目指している。北極圏ではヤマル・ネネツのほか、「北極圏LNG」プロジェクトを進めており、23年の生産開始を予定する。同事業の生産量は年間2,000万トンとなる見通し。

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