ソロス財団、ハンガリー事務所をベルリンに移転

米国の富豪ジョージ・ソロス氏の慈善団体オープンソサエティ財団(OSF)は先ごろ、同氏の出身地ハンガリーの事務所を閉鎖し、全ての機能をドイツのベルリンに移す方針を明らかにした。4月のハンガリー議会選挙で勝利したオルバン政権が、同財団の支援団体を含む非政府組織(NGO)を違法認定するための法案を今年6月にも議会で成立させるとみられることなどが背景にある。反移民政策を掲げるオルバン首相は政策的に対立するソロス氏を「国家の敵」と批判するなど、同財団に対し政治的圧力を加えてきた。

OSFは中東欧における人権の擁護や言論の自由を促進するための事業を実施しており、ハンガリーではフィデス党政権下で一貫して活動してきた。同財団によると、同国での事業総額は計4億ドルに上る。

ニューヨークに本拠を置くOSFのパトリック・ガスパール会長は今回の決定に関し、「ハンガリー政府は我々の活動を中傷し間違ったイメージを与えただけでなく、政治的な目的を理由として市民の活動を抑圧してきた」と述べた。

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