エルドアン大統領、金融政策介入に言及

トルコのエルドアン大統領は15日、ブルームバーグ通信のインタビューで、来月24日の大統領・議会選挙で当選した場合は金融政策への影響力を強める意向だと発言した。これを受けて通貨リラの為替相場は下落。インフレの高進と企業債務の増加が懸念されるトルコ経済に、市場は警戒を強めている。

トルコのインフレ率は3月に10.2%、4月に10.9%と、中央銀行目標値の5%の2倍以上の高率で推移している。対抗策としては利上げが妥当だが、中銀の利上げ幅は不十分で、景気を優先する大統領の意向に逆らえないもようだ。結果としてリラは年初以来、対ドルで16.5%下落し、まだ底を打たない様相となっている。

トルコ経済は国外からの資金調達への依存度が高く、企業債務は大きく膨らんでいる。実体経済に携わる製造・流通企業の債務総額は2,220億ドルにもなり、ブルームバーグ通信によれば、リラが対ドルで1セント安くなると10億ドル増える計算になる。

昨年は政府の融資支援策などで7.4%の経済成長を記録したトルコだが、先進工業国における金利正常化を背景に国外投資家がトルコに資金を投入するうまみも薄れてきている。エルドアン大統領は来月の選挙まで現状維持で持ちこたえようという姿勢だが、誰が政権にあろうとも、中期的には金融・財務政策の引き締めは避けられないとみられる。

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