ロシア関税局は財務省に対し、同国に届く国際小包に一律20%の関税を課すことを提案した。外国通販で商品を購入する人が急速に増えているためで、政府にとって有力な税収源となりそうだ。
ロシアでは景気後退時でも通販の利用が伸び、昨年の市場規模は前年比13%増の1兆400億ルーブル(15億ユーロ)に達した。このうち3分の1強は、中国をはじめとする外国通販が占めている。中国の電子商取引大手アリババはロシアでのサービスを強化中で、ロシア国内1,800カ所に商品引き取り所を設置して輸送時間の短縮に努めているところだ。
外国通販の利用に占める中国の割合は数量ベースで91%に上る一方、金額ベースでは53%にとどまる。低価格商品の人気が高いことがうかがわれるが、その一因にはロシアの関税規定の緩さがあるとみられている。現行規定では月1,000ユーロ以下、31キログラム以下の輸入は非課税となっており、外国通販での買い物に関税がかかることはほぼない状況だ。
一方で、政府はプーチン大統領のインフラ整備・近代化で悪化した財政改善に向けて財源を求めており、14日には年金支給開始年齢の段階的引き上げと、来年からの付加価値税引き上げを決めたばかり。このため、今回の関税案も実現する可能性は十分とみられている。(1RUB=1.74JPY)