ブルガリアの経済・エネルギー・観光省は7月26日、ルーマニア国境付近にあるコズロドゥイ原子力発電所の原子炉6号機の改修工事が完了したと発表した。これにより同機の稼働期間が2051年まで延長される。同原発は15年に5号機と6号機の刷新に着手、総投資額は3億6,000万ユーロに上る。
コズロドゥイ原発は社会主義体制時代に建設されたブルガリア唯一の原子力施設。旧ソ連製の原子炉の安全性に対する懸念から、1~4号機は2002~04年にかけて稼働停止し廃炉手続きに入っている。5号機は16年に刷新を完了した時点で、原子力規制局が30年以上の稼働延長が可能としていた。現在は5、6号機(発電能力各1,000メガワット)の稼働で国内発電量の約3分の1を賄っている。
ブルガリア政府はこれまで、電力価格低減への貢献度が大きい原子力エネルギーを推進する基本姿勢をとってきた。2006年にはベレネの新原子力発電所建設プロジェクトに着手したが、資金難に陥り、建設途中の12年に計画撤回を余儀なくされた。議会が今年6月、中国核工業集団(CNNC)など複数企業の関心を追い風に同計画を再承認したことから、建設再開の可能性が強まっている。