ロシア経済情報を配信するドイツ語ポータル「オストエクスペルト」が、連邦統計局(ロススタット)が2018年上半期の統計指標をまとめたのを機に、2015年以来のロシア経済を振り返った。
2018年上半期の工業生産高は前年同期比で3%拡大した。国内総生産(GDP)が大きく縮小した15年通期に0.8%のマイナスとなった以外は、16年通期に2.2%、17年通期に2.1%のプラスを記録していたが(16、17年は修正値)、今回は上げ幅が広がった。
小売売上高は15~16年に合わせて14%落ち込んだ後、17年に1.4%と回復に転じた。18年上半期は2.6%増だった。これは実質賃金上昇率と同じ数値だ。
18年1-3月期(第1四半期)のGDPは前年同期比で1.3%増加した。15年通期、16年通期にそれぞれ2.5%、0.2%縮小した後、17年通期は1.5%の増加に転じた。
設備投資は18年1-3月期に3.6%増加した。15年通期は10.1%減、16年通期は0.2%減だったが、17年通期は4.4%のプラスを記録している。
建設売上高は18年上半期も1%減で、低迷が続いた。15~17年の減少幅は合わせて10%に上っている。
工業生産高の上方修正で、16、17年のGDPも年末の見直し時に上方修正される見通しだ。ロススタットでは、16年の成長率を従来の0.2%減から前年並み、17年では従来の1.5%増から1.8%増に修正すると予測している。