家電大手の中国海信集団(ハイセンス)が、スロベニア子会社ゴレニアがベレニエに置く本社拠点を拡張する。ベレニエ市当局が8月30日に明らかにしたもので、テレビ工場を新設し、年間100万台の生産能力を整備する。投資額は明らかにされていない。
ゴレニアのボビナッチ代表取締役によると、ハイセンスはベレニア工場の主要な生産ラインを残しながら生産能力を引き上げていく。ハイセンスは28日にゴレニアの発行済み株式95.42%の買収が完了したと発表していた。ゴレニアは昨年11月以来、激戦の家電業界で生き残り、長期的な成長を実現するために、戦略提携を主眼とした身売りを模索してきた。ボナビッチ代表取締役は「我が社だけでは競合大手に太刀打ちできない」と述べ、ハイセンスの傘下に入ることの意義を強調した。
ハイセンスは今回の買収でゴレニアの欧州工場3カ所と研究開発拠点4カ所を取得した。両社を合わせた欧州の従業員数は1万人を超える。
オーブンやレンジフード、冷蔵庫、洗濯機、小型家電などを製造するゴレニアの昨年の売上高は13億ユーロ、純利益は120万ユーロ。ゴレニアとASKOの2つのグローバルブランドのほか、ATAG、Pelgrimなど6つのローカルブランドを持つ。