トルコのインフレ加速、03年末以来で最高の17.9%に

トルコ統計局(TUIK)が3日発表した2018年8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で17.9%上昇し、2003年末以降で最大の上げ幅を記録した。インフレ率の上昇は5カ月連続。前月比では2.3%増で、ブルームバーグ通信が集計したアナリスト予測中央値(前年同月比17.6%、前月比1.84%)をいずれも上回った。通貨リラ安による輸入価格の上昇が大きく響いた。中央銀行は今回の発表を受け、今月13日に予定される金融政策委員会の定期会合で、インフレ加速に見合った利上げを実施すると予告した。

製品群別にみると、「運輸(自動車用燃料を含む)」の27.1%を筆頭に、「家具・家庭用品」が23.8%、「雑品・サービス」が23.2%と大きく上昇した。物価指数に占める比重の大きい「食品・ノンアルコール飲料」も19.6%の上昇を示し、物価を押し上げた。

一方で8月の生産者物価指数(PPI)はCPIを大きく上回る32.1%の上昇を記録した。英ブルーベイ・アセット・マネジメントで新興市場債戦略を担当するティモシー・アッシュ氏は、PPIとCPIの差が大きいことについて「小売りがリラ安による経費の上昇を顧客になかなか転嫁できないため」と説明し、「内需が急速に冷え込みつつあることの反映」と懸念を示した。

トルコはエネルギー需要のほぼ全量を輸入に頼る。このため、リラが安くなると原油やガスの調達価格が上昇し、経済全体に影響を及ぼす。リラの対ドル為替相場は年初比で40%以上、安くなっている。

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