エストニアの警察国境警備隊は26日、政府に電子身分証(IDカード)を納入していた蘭デジタルセキュリティ大手のジェムアルト(Gemalto)を相手に、1億5,200万ユーロの違約金支払いを求めて提訴した。同社がIDカードのプライバシーキーをカードの外部で生成したことが契約に違反していると判断した。
エストニアでは、昨年秋に同社製IDカードのセキュリティリスクが露呈したのに続き、今年5月、カード外でのプライバシーキーの生成が明らかになった。警察国境警備隊では、このほかにも契約内容の抵触が明らかになっているとし、これらについても順次提訴していく方針だ。
不正に生成されたプライバシーキーを持つIDカードと在留許可証は、2011年1月から2014年12月にかけて発行された。警察国境警備隊は今年6月、まだ有効期限が切れていなかった約1万1,000枚のIDカードと在留許可証の無効を宣言した。(1EUR=132.24JPY)