早起きの国~チェコ

チェコの朝は早い。バビシュ内閣の記者会見は6時に始まる。労働者は6時、公務員は7時、中小企業では8時の始業が一般的だ。9時から仕事をするのは銀行業など一部で、チェコの被用者の10%に過ぎない。

世論調査では、大多数が始業時間を遅らせるのに反対だ。6時始業の場合、14時半には終業となり、午後に自由な時間をとれる。これを失いたくないというのがチェコ人の考え方だ。

この早起き習慣の元は、ハプスブルグ家の最後の皇帝、フランツ・ヨーゼフにあると言われている。フランツ・ヨーゼフは3時半起床、その日最初の国務報告を聞いたうえで、5時から請願者と会い、6時に朝食。この時間には判断材料がそろい、最初の命令を下す……と活動的な朝を過ごしていたという。オーストリア・ハンガリー帝国の始業は遅くとも7時だったというから、ずいぶん前から早起きだったことは確からしい。

それでも、特に都市に住んでいる人は働く時間や場所を自分で選びたいと思う人が増えているようだ。マイクロソフトの調査によると、中小企業で毎日出勤しなければならない人の割合は2年前の75%から39%まで低下した。時々あるいは定期的に自宅で働くという人は25%、喫茶店やワークスペースを利用した勤務(テレワーク)が認められている人は27%、常に移動しながら仕事をしている人は14%だった。

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