ルーマニアのアルミ製造大手アルロは9日、年内に6,100万ドルを投じて、熱間圧延製品の品質向上と生産におけるエネルギー効率向上を図る計画を明らかにした。同社は同時に製品構成の再編、コスト削減も行い市場シェアの拡大を目指す。
アルミ加工については、冷間圧延機とグラインダーの改修を行う。それにより2022年までにアルミニウム圧延板製品の生産量を昨年の年産9万トンから12万トンに引き上げる。また熱処理系アルミ板の製品割合の拡大も目指す方針だ。
そのほか熱延製品の管理システムを導入し品質向上を図るほか、納期の短縮なども行っていく予定。また2020年までにアルミスクラップの加工能力を昨年の3万2,000トンから10万トンまで増加させるとしている。
同社の今年1-6月期の1次アルミニウムの生産量は14万4,962トンで、前年同期の13万9,459トンから3.9%拡大した。2次アルミニウムは5万6,000トンにとどまった。同期の売上高は15億6,000万レイ(3億3,390万ユーロ)、純利益は1億5,400万レイ(3,300万ユーロ)だった。
アルロを巡っては今年7月に、同社の株式の54%を保有するオランダのビメツコ(Vimetco)とコネト(Conet)が公開買い付け(IPO)を実施したが合意が成立しなかった。
アルログループに属するアルロ・スラティナは1961年に設立された。同社は欧州におけるアルミ生産大手で、上流から下流までを手掛けている。(1ROM=27.79JPY)