スイスの特殊化学大手シーカは18日、ロシア中部エカテリンブルク近郊にコンクリート混合材の新工場を建設すると発表した。同社にとって5番目の生産拠点となる。堅調な地元建設市場を追い風に需要が拡大しており、生産体制を強化する。立地はまた、ヴォルガやシベリアなどへの物流の便もよく、納品時間の短縮やコスト削減が期待できる。
ロシアでは交通網やエネルギーなどインフラ投資に加え、都市開発や空港・港湾施設拡張への投資も活発で、建設市場が堅調な展開を続けている。これを受けて、シーカは2015年、国内南部のヴォルゴグラードにモルタル工場とコンクリート混合材工場を開所したほか、モスクワ近郊のロブニャ工場にコンクリート混合材用ポリマーの生産施設を新設するなど、同分野での事業強化を進めている。
シーカは建設業や製造業で使われる接着剤、密閉材、緩衝材、強化材などの特殊化学製品を製造する。17年の総売上高は62億5,000万スイスフランで、このうち建設分野が8割近くを占めた。ロシアには現在サンクトペテルブルク、ルジェフ、ロブニャ、ヴォルゴグラードに工場がある。