ウクライナのフロイスマン首相は、22日付独週刊紙『ツァイト』とのインタビューで国内の天然ガス開発を進める方針を明らかにした。国内需要をまかなうとともに、欧州への供給を目指す。ロシア国営ガスプロムが主導する「ノルド・ストリーム2」パイプラインが稼働すると、対欧州輸出の経由地としてウクライナが果たしてきた役割が終わり、国家収入が20億ドル減る懸念があるためだ。
フロイスマン首相の構想によると、欧州諸国、ウクライナ、米国が提携して合弁会社を設立し、シェールガス開発に取り組むとともに、老朽化の進むパイプライン網を改修する。2025年までに「ガス供給国」へ転換したい意向だ。
ウクライナはこれまで、天然ガス需要のほぼ全量をロシアからの輸入に頼ってきた。同時にロシア産ガスを欧州に供給する主要なルートでもあった。
しかし、ロシアはウクライナとの対立を受け、ノルド・ストリーム2など同国を経由しない輸出路の整備を推進している。
