チェコ最低賃金、9%増の1万3,350コルナに

チェコ政府は20日、法定最低賃金を来年から1万3,350コルナ(約6万6,500円)に引き上げる法案を閣議承認した。現行の1万2,200コルナから9.4%上昇することになる。

マラーチョヴァー労働社会相は「最低賃金で働く15万人(労働人口の約4%)に朗報なのはもちろんだが、最低賃金上昇は賃上げの追い風ともなるため、全般的な賃金上昇につながる」と満足感を示した。一方、シレロヴァー財務相(ANO)は「平均賃金の上昇に合わせ、1,000コルナにとどめておきたかった」とコメントし、内閣の中でも意見の相違があったことを示唆した。

社民党が主導する前内閣は、最低賃金を平均賃金の40%以上とすることを目指していた。同党は今回の閣議決定でこれをほぼ達成し、次の目標として(議会の任期が満了する)2021年までに1万6,000コルナを実現する方針だ。ただ、ここでもバビシュ首相(ANO)の狙う水準(1万5,200コルナ)を上回っている。

法定賃金引き上げについては、雇用者団体のほか、地方自治体や教育省も抗議している。自治体・教育省では支出増を埋めるため、より大きな予算配分を求めている。(1CZK=4.94JPY)

上部へスクロール