コソボ、対セルビア輸入関税を100%に引き上げ

コソボ政府は21日、セルビアとボスニア・ヘルツェゴビナからの輸入品に対する関税を同日付で100%に引き上げることを閣議決定した。前日開かれた国際刑事警察機構(ICPO)の総会でセルビアがコソボの加盟を妨害したことへの対抗措置で、「自国の利益を守る措置」だと説明している。同時に、自国公認ラベルがついていない製品の国内流通を禁止することも決めた。

コソボは2008年にセルビアからの独立を一方的に宣言し、国連で100超の加盟国の承認を受けた。セルビアはコソボの独立を認めておらず、両国の対立が続いているが、欧州連合(EU)は両国の加盟条件として関係正常化を求めている。9月には少数派民族集中居住地域の「領土交換」案が浮上し、一時は歩み寄り姿勢が見られた。

コソボは今月初め、自国製品の保護という名目でセルビアとボスニア・ヘルツェゴビナからの輸入品に10%の関税を課すことを決めた。これに対し、セルビアは中欧自由貿易協定(CEFTA)に違反するとして抗議、EUも撤回を求めた。同国貿易統計によるとセルビアからの輸入高は4割減少したもようだ。

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