トルコの11月インフレ率、21.6%に低下

トルコ統計局(TUIK)が3日発表した2018年11月の消費者物価指数(CIP)は前年同月比で21.6%の上昇にとどまり、前月の25.2%から3.6ポイント低下した。物価上昇率が前月を下回ったのは今年3月以来、初めて。通貨リラ相場の回復や原油安がインフレ鈍化につながったもようだ。

通貨リラは、米国の金利正常化やエルドアン政権の経済政策に対する市場の懸念を背景に下落傾向を強めていたが、トルコ在住米国人牧師をめぐってトルコと米国の関係が悪化した8月に対ドル安が急激に進んだ。これが輸入品の価格高騰を引き起こし、10月の物価上昇率は2003年以来で最悪の25%超を記録した。

牧師問題が解決した後、リラの対ドル相場は幾分回復しているが、年初比では依然として約27%安い。中央銀行の独立性に対する懸念も完全には払しょくされていない。来年初めの最低賃金引き上げが決まっているほか、3月の地方選挙を前に財政支出が増える可能性もあり、インフレ再加速のリスクが残っている。

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