トルコの12月インフレ率20.3%、2カ月連続で低下

トルコ統計局(TUIK)が3日発表した2018年12月の消費者物価指数(CPI)の上昇幅は前年同月比で20.3%となり、前月から1.3ポイント縮小した。インフレ率の低下は2カ月連続で、市場予測(20.5%)も下回った。11月1日から適用された自動車や家電製品、家具類を対象とする税軽減措置の延長・拡大によりインフレ高進に歯止めがかかった格好だ。過去12カ月の平均上昇率は16.3%だった。

分野別にみると、構成比重の大きい「運輸(自動車用燃料を含む)」が16%の上昇にとどまったほか(前月は21%)、「住居費・公益料金」(23.7%)も前月から1.1ポイント減少して全体を押し下げた。ほかに上げ幅が大きかったのは「食品・非アルコール飲料」(25.1%)、「家具・家庭用品」(31.4%)、「その他の商品・サービス」(28.8%)、「娯楽・文化」(20.9%)。最も上げ幅が小さかったのは「アルコール飲料・たばこ」で2.4%だった。

同国で新たに適用された税軽減措置は、家電製品の特別消費税(SCT)の免除と家具類の付加価値税(VAT)率引き下げ(8%)の継続に加え、◇排気量1,600cc未満の乗用車に対するSCTを現行の45~60%から15%引き下げる◇商用車のVATを18%から1%に引き下げる――ことが決定された。

トルコでは経常収支の悪化を背景に2018年初からリラが下落し続けており、輸入品価格の高騰を招いている。10月のインフレ率は25.2%に達し、3月(10.2%)からの上昇幅は15ポイントに上った。一方エルドアン大統領は今年、最低賃金の25%引き上げを計画している。専門家は、企業が人件費の増加分を顧客に転化した場合、インフレ率を1.5~2ポイント押し上げると予測している。

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