リトアニアの国営電力会社LEG(Lietuvos Energijos Gamyba)は先ごろ、国内の水力発電所に新しいエネルギー貯蔵システムを導入するための作業に着手したことを明らかにした。それによると、新貯蔵システムにより電力の周波数制御における適切な予備力が確保され、今後同国の送電網を大陸欧州系統の送電網に同期するのに備えることができる。
6日付の現地英字紙『バルティック・コース』によると、首都カウナス近郊にある水力発電所に設置される新貯蔵システムの出力は1メガワット。新システムは特別なアルゴリズムを採用しており、発電所間の出力のずれに伴う周波数の相違を、FCR(周波数制御予備力)を利用して調整することができる。同社は今後同システムの部品の調達手続を開始する予定。
新システムの導入は同地域のパイロットプロジェクトとして位置づけられている。バルト諸国は2025年以降に大陸欧州系統との連係に加わる予定で、LEGは新貯蔵システムの需要が大きいとの見通しを持つ。現在バルト諸国はロシアとベラルーシとの間で電力系統の連係を行っている。