モスクワ市が欧州の排ガス基準「ユーロ4」に満たない自動車の走行制限を検討している。大気汚染の改善が目的で、来月4日までに詳細を詰める予定だ。環境改善への取り組みを評価する声がある一方、新車が買えない低所得層に打撃を与えるという批判も出ている。
ソビャーニン市長は、「ユーロ3」以下の自動車にモスクワ市の特定地区への乗り入れを禁止する方針を発表した。2016年のデータを基にすると、モスクワ市の登録車両の40%が基準を満たしていない。ロシア全体では登録車両の約60%を占める(2018年)。
モスクワ市は2030年までに大気汚染を22~27%改善する目標を掲げている。これまでにも路上駐車の有料化などの措置をとってきたが、慢性的な渋滞は解消していない。
環境対策の強化を評価する声がある一方で、年金生活者など低所得層の生活の足が奪われるという批判も上がっている。これらの人々は交通が不便な地区に住むことが多く、自動車の必要性が高いという主張だ。