セコムは13日、トルコの財閥チャルック・グループとセキュリティーサービスの合弁会社をイスタンブールに設立すると発表した。潜在成長力の大きい国へ進出して事業拡大を図る戦略に沿うもので、年内のサービス開始を目指す。
新会社の名称は「セコムアクティフ(Secom Aktif Yatirim)」。両社の折半出資とし、セコムの連結子会社となる。企業や個人に一括請負方式で包括ソリューションを提供する。
セコムのトルコ進出は、昨年発表した事業計画「ロードマップ2022」で掲げた海外進出戦略の第1弾だ。中山社長は、トルコを選んだ理由として◇就業人口の増加に支えられた潜在成長力◇欧州、中東、ロシアなど重要経済圏に近い地の利――を挙げた。
チャルック・グループのチャルック社長は、「今回の提携で我が社はデジタル分野に進出する。自力成長と買収合併の双方を通じて、合弁会社を大きくしていきたい」と抱負を語った。
トルコのセキュリティ市場規模は約46億ドルに上る。
トルコ投資促進機関(ISPAT)のエルムト長官は、「トルコと日本の強固な関係が、まだ貿易高や直接投資高に十分に反映されていない」として、今回のような案件を増やしていきたい意向を明らかにした。
同長官によると、昨年の両国間貿易高は46億ドルで、うちトルコからの輸出高は4億7,900万ドルにとどまった。また、2011~17年の日本からの対トルコ直接投資高は約32億ドルで、日本企業によるトルコ企業の買収・合併は45件だった。現在、トルコで活動する日系企業は200社を超える。