仏石油大手トタルは5日、ロシア天然ガス2位のノバテクが北極圏のギダン半島で進める液化天然ガス(LNG)事業「アークティックLNG2」の権益の10%を取得することで合意したと発表した。取引額は当初の評価額255億ドルを下回る200億ドルから210億ドル。トタルはノバテクの株式19.4%を保有することになり、トタルが持つ権益は全体の21.6%に拡大する。
アークティックLNG2のLNGプラントの生産量は年間1,980万トンで、2023年にはヤマル半島のLNG生産施設からの積み出しが予定されている。同プロジェクトに対しては昨年サウジアラビアが30%の権益取得の意向を示すなど、各国の企業が関心を寄せていた。
今回の合意では、ノバテクがヤマル半島とギダン半島におけるLNGプロジェクトの権益を手放す場合には、最大15%の権益をトタルが取得する権利を持つとされている。
トタルはこのほか、ノバテクがヤマル半島で初めて実施したLNGプロジェクト、「ヤマルLNG」の権益20%を保有する。同プロジェクトで生産されたガスは既に輸出されている。