電動車普及のカギは価格=ポーランド

ポーランドでも電気駆動乗用車への関心が高まっている。具体的に購入を検討している人の割合は上昇し、実際の販売台数も増加している。普及の最大の足かせは価格で、政府による促進策の拡充が望まれる。

電動乗用車の新規登録台数は昨年、前年比32.1%増の2万4,145台に増加した。しかし、新規登録全体に占める割合は4.5%と小さい。

種類別でみると、ハイブリッド車(HV)が2万2,821台(前年比32.6%増)と他を圧倒した。HVではトヨタ車が80%を占めた。プラグインハイブリッド(PHV)ではBMW、純粋な電気自動車(BEV)では日産が人気だった。

購入者別では法人がPHVの93%、BEVの90%、HVの79%を占め、新規登録全体での割合(74%)を上回った。政府は年初から償却限度額を約5万2,000ユーロに引き上げ、法人による購入を支援している。エンジン車は約3万5,000ユーロに設定されている。

自家用車としても電動車への関心は高まっている。代替燃料協会(PSPA)が昨年、一般世帯を対象に行った調査によると、今後3年以内にBEVまたはPHVの購入を検討している人は17%と前年から5ポイント上昇した。HVでは25%に上っている。

購入を阻害する最大要因は値段だ。電気駆動車の価格はエンジン車の2倍。個人が電気駆動車を購入する予算が2万ユーロであることを踏まえると、35~48%の価格低下が必要な計算となる。

電動自動車促進協会のクジュシトフ・ボレスタ副会長も、価格が普及のカギとみる。この点から、独ダイムラーと韓国LG化学がポーランドでEVバッテリー生産を開始することで価格が下がるのではと期待する。

政府は2025年までに電動車の国内登録台数を100万台に増やす目標だ。昨年発効したエレクトロモビリティー・代替燃料法には、新車購入にかかる消費税の免除や、償却限度額の引き上げ、バス専用車線の走行許可、路上駐車料金の免除、環境ゾーンへの乗り入れ許可などの購入促進策を盛り込んだ。しかし、専門家は同法が電動車の普及に及ぼす効果はわずかとみており、目標達成にはさらなる施策が必要になりそうだ。

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