独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のチェコ子会社であるシュコダ自動車はこのほど、完全電気自動車(EV)のパイロットプロジェクト「SKODA CITIGO E-PILOT」を開始すると発表した。シュコダの小型車「シティーゴー」の完全EVモデルの量産化を前に、センサーなどを装備したプロトタイプを一部の顧客に利用してもらい、日常での走行データを収集・分析するとともに、顧客からのフィードバックを集める。
シュコダは2019年第4四半期に「シティーゴー」のEVモデルの量産を開始する計画。
今回のプロジェクトでは、VWの完全EV「e-up!」をベースにした実証試験用のプロトタイプ「CITIGO E-PILOT」10台を法人やフリート顧客、公的機関など、一部の顧客に提供し、通常業務で利用してもらう。
すべての試験車両にはセンサーを装備しており、走行距離や外部の気温、車内の室温、加速などの主要データを収集することができる。これらのデータはすべて自動的にシュコダの開発チームに送信される。今回のプロジェクトでは、日常の運転におけるバッテリーの状態や電力網にかかる負荷なども分析するほか、EV向けのサービスも試験する。
シュコダ自動車は今後4年間で、電動化およびデジタル化に同社として過去最大の投資となる約20億ユーロを投資する。2022年末までに30以上のモデルを発表する計画で、うち10モデル以上が完全EVを含む電動車となる予定。
2019年には、「シティーゴー」のEVモデルに加え、上級モデル「スペルブ」のプラグインハイブリッド車(PHV)も市場投入する計画。また、2020年初めからすべての販売代理店に充電インフラを整備し、EVの顧客の利便性を高めていく。