チェコの通貨・コルナが誕生から100周年を迎えた。オーストリア・ハンガリー帝国で使われていた通貨(クローネ)が第1次大戦後、ハイパーインフレに見舞われたのを受けて導入されたもので、新国家チェコスロバキアの経済発展の基盤を築いた。
チェコスロバキアのアロイス・ラシーン蔵相は1919年、クローネ紙幣を廃し、コルナの新紙幣に交換する通貨改革を実施した。金本位制のチェコスロバキア・フランと並行して流通させ、後にフランに一本化する予定だったが、金本位制が維持できないことが判明し、25年にコルナの方で一本化された。
アール・ヌーヴォーを代表するアルフォンス・ミュシャが10、20、200、500の各コルナ紙幣のデザインを担当した。自分の妻と娘の肖像を取り入れたという。
当時発行された最高額紙幣は5,000コルナでわずか36枚が現存するのみだ。チェコ国内に7~8枚、あとは外国にあるとみられている。収集家の間では1枚当たり250万~500万コルナ(9万7,400~19万4,800ユーロ)で取引されているという。(1CZK=4.87JPY)