スロバキア、ロボット化により30%の雇用喪失リスク

スロバキアで将来的にロボット化が進み雇用が大きく失われるとの懸念が出ている。経済協力開発機構(OECD)は同加盟国の中でオートメーション化の影響を最も受ける国としてスロバキアを挙げており、一部では労働者のスキル向上に向けた施策の必要性が指摘されている。

OECDが先ごろ発表した労働市場の将来見通しに関する報告書『The Future of Work』によると、スロバキアはオートメーション化のリスクが70%を上回る雇用のシェアが30%超とOECD諸国の中で最も高い割合となっている。オートメーション化のリスクが50%から70%とやや低い雇用を合わせた割合もリトアニアと共に高く、ロボット化の雇用への影響が特に大きいと予想されている。

OECDは、ロボット化の進展は新たな雇用も生み出すため雇用情勢の悪化は労働市場全体としてはそれほどではないとしている。一方で低技能の職業の雇用は減少し高技能職では増加するとしていることから、低技能職の雇用の多い中東欧諸国ではロボット化による雇用の喪失が特に大きくなるとの懸念がある。

それに対し、専門家はロボット化の進展に対処するための措置が必要だと指摘する。過去10年で生まれた新しい職業のうち4割が情報通信産業で誕生していることから、今後企業はより高度なコンピュータースキルを従業員に身に着けさせる必要がある。一方OECDによると、Eメールの送受信や情報検索など基本的なスキルしか備えていない労働者の割合は50%を超えている。

国際ロボット連盟(IFR)によると、2017年の産業用ロボットの年間生産台数は世界全体で40万台弱。13年から17年にかけて114%増加した。21年までにさらに14%増加し60万台を超えると予想されている。

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