2019/5/22

自動車

ハンガリーで自動車走行試験場が開所、EV・自動運転の研究ハブとして期待

この記事の要約

ハンガリー西部のザラエゲルセグで20日、自動車走行試験場「ザラゾーン」が部分稼働した。ハンガリーを自動車の生産地としてだけではなく、開発事業の立地として発展させる政策に基づき、政府が中心に進めているプロジェクトだ。全面稼 […]

ハンガリー西部のザラエゲルセグで20日、自動車走行試験場「ザラゾーン」が部分稼働した。ハンガリーを自動車の生産地としてだけではなく、開発事業の立地として発展させる政策に基づき、政府が中心に進めているプロジェクトだ。全面稼働後には自動運転やコネクテッドカー(つながる車)、大型トラックを含む電気自動車(EV)の東欧試験センターとして機能することが期待される。投資規模は450億フォリント(1億3,800万ユーロ)に上る。

ザラゾーンはザラエゲルセグ工業団地の北に位置し、総面積は欧州最大規模となる265ヘクタール。うち、20ヘクタールで市街地での走行状況を再現する。

今回オープンしたのは◇走行の安定性や操舵力、ブレーキ性能などを確かめるハンドリング試験コース(全長2キロメートル)◇旋回試験場(直径300メートル)◇8つの異なる路面を再現したブレーキ試験コース◇スマートシティ(市街地)エリア(5ヘクタール)◇サービス棟――などだ。

第2期工事では既存の試験コースを拡張するほか、◇高速周回路◇オフロード試験場◇高速・郊外道路コース◇坂道コース◇悪路試験場◇騒音測定設備◇散水システム――などを整備する。

次世代車両の試験に向けては、すでにボーダフォンが第5世代移動通信規格(5G)通信網を試験場内で構築し、常時接続可能となっている。

自動運転やコネクテッドカーの実用化では、通信技術、人工知能(AI)、ロボット工学、コンピューター工学など幅広い分野の協働が重要だ。政府は自動車開発を支援することで、関連分野の技術開発にも勢いがつき、ハンガリーが自動車以外の研究開発拠点としても魅力を増すと期待している。(1HUF=0.38JPY)