Nexen Tire:韓国ネクセンタイヤ、チェコ生産開始も市場は不振

韓国・ネクセンタイヤのチェコ生産事業が難しい判断を迫られている。欧州のタイヤ需要が縮小するなか、計画通りに生産を拡大すれば製品を売り切れないリスクがある。一方で、生産計画を下方修正すれば、巨額の投資を回収する財務計画にひずみが生ずる。業界アナリストによれば、生産が軌道に乗る来年から再来年あたりが正念場になりそうだ。

ネクセンタイヤは自動車大手の欧州工場へ新車用タイヤを供給する目的で現地生産を決定。2015年にチェコ北西部のジャテツで工場建設に着手し、今年4月に商業稼働した。23年までに総額11億ドルを投じ、600万本の年産能力を整備する予定で、将来的に1,200万本超へ拡大することも視野に入れている。

しかし、欧州における市販用乗用車・小型商用車向けタイヤ販売数は今年1-3月期(第1四半期)に3%減少、乗用車の新規登録台数も3.3%縮小した。現代証券のアナリスト、チャン・ムンス氏は「来年か再来年まで、販売網、固定費、在庫調整に関連する問題が深刻化していく」と予想する。

これに対しネクセンタイヤは、「商業生産の開始が1カ月遅れたのは確かだが、これは生産調整のためではない」とコメント。計画通り、まずは年300万本の水準に引き上げる方針を確認した。

また、「欧州タイヤ市場は縮小しているが、北米需要は回復してきている」と世界全体を視野に入れる必要性を指摘した。「(チェコ工場の)初期投資は必要経費」とし、時が経つにつれ状況が改善するとみている。

ジャテツ工場は中国・青島工場に次いで、ネクセン第2の国外工場だ。

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