中国化工集団(ケムチャイナ)傘下のスイス農薬大手シンジェンタが、ロシアのリペツク特別経済地区(SEZ)に工場を新設する。同国向け製品の現地生産比率を高める狙い。投資額は16億ルーブル(2,180万ユーロ)。今年10~11月に着工し、2021年に稼働する計画で、49人の雇用創出が見込まれる。
シンジェンタは2021年までにロシアで販売する農薬の現産比率を80%へ引き上げる目標だ。現在は地元企業と提携しておよそ40%を現地で生産している。
好天と通貨ルーブル安を背景に、ロシアの穀物収穫量・輸出量はここ5年、増加している。小麦に限ると輸出量は世界最大だ。一方で、生産に必要な種子・農薬は輸入に頼っている。
シンジェンタは2000年にノバルティスとアストラゼネカの農業化学事業が合併して誕生した。2017年に中国化工の子会社となった。農薬のほか種子も手がける。
昨年の連結決算では売上高で135億2,300万ドル、営業利益(EBITDA)で26億1,300万ドル、最終利益で14億3,800万ドルを計上した。(1RUB=1.67JPY)