IMF専務理事候補にブルガリア出身の世銀CEO、加盟国が選出

欧州連合(EU)加盟国は2日、国際通貨基金(IMF)の次期専務理事候補として、ブルガリア出身のクリスタリナ・ゲオルギエワ世界銀行最高経営責任者(CEO、65)を擁立することで合意した。IMFの専務理事は慣例として欧州出身者が就いており、同氏が最有力の候補となる。IMFは9月上旬に候補者の受け付けを締め切り、10月上旬に決定する見通しだ。

実際にゲオルギエワ氏が選出されると、現職のラガルド専務理事に続いて女性がIMFのトップを務めることになる。ラガルド氏は欧州中央銀行(ECB)の次期総裁に内定しており、9月12日付で退任する。

経済アナリストのゲオルギエワ氏は欧州委員会の国際協力・開発担当委員を経て、14年から同委の副委員長(予算・人的資源担当)を務めた。16年には国連事務総長の有力候補となったが、ポルトガルの元首相アントニオ・グテーレス氏に敗れ、17年1月に世銀ナンバー2のCEOに就任した。

専務理事候補には他に、オランダのダイセルブルーム元財務相やフィンランドのレーン中銀総裁などの名前が挙がっていた。最終的にドイツが支持するダイセルブルーム氏とフランスが推すゲオルギエワ氏の争いとなり、加盟国の財務相による協議でゲオルギエワ氏の擁立が決まった。

IMF専務理事はこれまで欧州出身者が独占しており、ゲオルギエワ氏の選出が濃厚。ただ、専務理事の就任時に65歳未満とする規定があり、今月13日で66歳になる同氏が就任するには規定を変更する必要がある。このため欧州外から反対意見が出る可能性もある。

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