Sumitomo Chem:住友化学がトルコ企業買収、PPコンパウンドの生産を拡充

住友化学は5日、英子会社の住化ポリマーコンパウンドヨーロッパを通じて、トルコの樹脂コンパウンドメーカー、エマス(Emas)・グループを買収したと発表した。ポリプロピレン(PP)コンパウンドの生産拠点拡充が目的。トルコ大手の同グループを取得することで同事業の世界展開を加速させる。取引額は明らかにしていない。

PPコンパウンドは自動車のバンパー、内装材、家電製品の筐体(きょうたい)などに使われる高性能材料で、PPに合成ゴムやガラス繊維、無機フィラー(充填剤)を混ぜることで耐衝撃性や剛性を向上させている。トルコには多くの自動車、白物家電メーカーが欧州市場向けの生産拠点を構えており、同材料は堅調な需要拡大が見込まれている。

エマスグループはエマス・プラスチック、アクチェ(AKCE)・プラスチック、アルメン(ALMEN)の3社からなる。PPコンパウンドでトルコ最大級の生産能力を持つほか、廃プラスチックを再生したPPコンパウンドでも国内トップの販売量を誇る。住友化学は今回の買収により、トルコ国内の自動車・家電メーカー向けの生産・販売体制を強化するとともに、環境意識の高い欧州でのリサイクル材料を使った製品の需要増加に対応していく。

上部へスクロール