欧州委員会は7日、チェコ携帯電話サービス大手のTモバイル・チェコとO2チェコ、通信インフラ会社CETINの通信ネットワーク共有協定が欧州連合(EU)競争法に違反するとして、3社に異議告知書を送付したことを明らかにした。
3社は2011年にネットワーク共有協定を締結。その後に協定を拡大し、現在はチェコの人口の85%に相当する範囲をカバーしている。
チェコの携帯電話サービス事業者はTモバイル・チェコ、O2チェコとボーダフォンの3社だけ。Tモバイル・チェコとO2チェコが2強で、シェアの4分の3を占めている。このため、欧州委はネットワーク共有協定が競争を大きく阻害しているとして、2016年10月に調査を開始。競争法違反の疑いが濃厚になったとして、異議告知書を送付した。
Tモバイル・チェコは独通信最大手ドイツテレコムのチェコ子会社。O2チェコは同国の投資会社PPFグループの傘下にある。CETINはO2チェコの子会社だったが、15年に分離し、現在はPPFグループの子会社となっている。
Tモバイル・チェコとO2チェコは、携帯電話サービス会社によるネットワーク共有は欧州で一般的に行われており、第5世代(5G)サービスを低コストで運用するために必要などと主張し、競争法違反を否定している。