ロシア原子力公社(ロスアトム)は19日、ブルガリアのベレネ原子力発電所の戦略投資家を募る入札に関連し、参加意向表明書を提出したと発表した。韓国水力原子力(KHNP、KEPCOグループ)はすでに提出済みで、中国核工業集団(CNNC)も同日中に提出すると見込まれている。また、仏フラマトム(アレバ)、米ゼネラルエレクトリック(GE)も過去に参加に関心を表明している。
政府は今回の入札について、◇資金調達にあたる政府保証なし◇長期電力調達契約なし――という条件に変更がないことを改めて明確にした。また、戦略投資家と設立する合弁会社に対する政府の出資は◇購入済みの設備◇用地◇各種許可――といった現物で実施し、現金出資は行わない。落札企業は来年6月ごろに決まる見通しだ。
ベレネ原発はコズロドゥイ原発に続くブルガリア第2の原発で、2006年にロスアトムが建設を受注し、08年に着工した。しかし、資金面の問題で実施が遅れ、13年に議会で中止が決まった。
ロスアトム子会社のアトムストロイエクスポルトはこれに対し、製造済みの設備に対する賠償を求めて国際仲裁裁判所に提訴。ブルガリア政府は16年、同裁判所の判断に基づき、設備を約6億ユーロで買い取った。
これによって、ベレネ計画への国家支出が15億ユーロに増加しため、政府は同設備の活用を選択肢の一つとして視野に入れながら、長期エネルギー政策を策定。昨年6月にペトコヴァ・エネルギー相に建設再開の具体化を命じた。