在外ドイツ商工会議所(AHK)は8月28日、主導する高速鉄道交通イニシアチブの一環で、モスクワとサンクトペテルブルクを結ぶ650キロメートルの高速区間整備でロシア鉄道と戦略提携の覚書を交わした。AHKのシェップ会頭は両国の安定的な経済関係を示唆したうえで、密接な提携が相互利益をもたらす模範的プロジェクトになると強調した。
高速鉄道交通イニシアチブは、ロシアの高速交通インフラの実現を技術面で支援することを目的に、電機大手シーメンスの鉄道事業会社シーメンス・モビリティやドイツ鉄道(DB)のエンジニアリング&コンサルティング子会社など、ドイツの主要関連企業が参加する。
ロシア鉄道と長年の協力関係にあるDBは、今回のプロジェクトで高速区間の設計、開発、運営などのノウハウを提供する考えだ。シーメンス・モビリティはロシア鉄道から高速列車「ベラロ(Velaro)
RUS」を2006年、11年にそれぞれ8編成受注したほか、今年6月には新たに13編成の受注契約を交わした。モスクワとサンクトペテルブルク高速区間に投入される予定だ。