ロシア・モンゴル首脳会談、鉄道近代化など広範に協力

ロシアのプーチン大統領は先ごろ、訪問先のモンゴルで同国のバトトルガ大統領と会談を行い、鉄道の近代化など経済協力を含む友好・戦略的パートナーシップ協定に調印した。協定にはインフラ整備や原子力、投資拡大など10の分野における協力事業が含まれる。投資については、会談に先立ちロシアの国家ファンド、ロシア直接投資基金(RDIF)がロシア・モンゴル投資協力基金の設立で合意していた。

会談ではバトトルガ大統領がロシアの輸出信用枠1,000億ルーブル(13億6,700万ユーロ)に関心を示し、両国が共同出資するウランバートル鉄道の資本増強、およびズウンバヤンーハンギ間の鉄道建設やエネルギー分野などでの協力を要請した。鉄道事業については、会談に先立って行われたモンゴル紙『ウドリイン・ソニン』とのインタビューの中で、プーチン大統領が同国の鉄道網の近代化事業を国営ロシア鉄道(RZD)に実施させる意向を示していた。同大統領はモンゴルの輸送網やインフラの拡充を通して、同国の交通拠点としての役割を強化することができるとの見方を示している。

同大統領は原子力分野について、医療や工業、農業などの民生分野での放射線技術の利用を進めるためロスアトムによって原子力科学センターの設立が検討されていると述べた。

そのほか両国の関税当局間で中期的な協力計画や国境沿い自動車検問所の機能強化について合意が成立した。またRDIFと、モンゴルの国家ファンドを運営するDBMアセットマネジメントが協力協定を結んだ。国営送電事業者のロスセチと政府系でモンゴルの資源関連企業を傘下におくエルデネス・モンゴル、資源開発のロスゲオロギアとモンゴルの天然資源・石油局、郵便事業者のロシアポストとモンゴル・シュウガンがそれぞれ協力強化で合意している。

プーチン大統領によると、昨年の両国間の貿易額は前年比21%増の16億5,000万ドルだった。今年1-6月期は前年同期から11.8%の8億ドルとなっている。(1RUB=1.61JPY)

上部へスクロール