スロベニアのアドリア航空は9月30日、クラーニの裁判所に破産を申請した。約9,000万ユーロの負債を抱える同社は機体のリース費用が払えなくなるなど資金繰りに行き詰り、経営破綻に追い込まれた。スロベニア民間航空局(CAA)によると、アドリア航空の事業免許は取り消され、全便でフライトを停止している。
スロベニア政府は2016年、国営だったアドリア航空をドイツの投資会社4Kインベストメントに売却した。その後、同航空は保有する機体を売却してリース機を利用してきたが、9月23日に米国の航空機リース会社アエロセンターがCAAに対し、同航空が利用しているボンバルディア機の登録を取り消すと通知した。その前の週にはダブリンに拠点を置くトライデント航空リースサービスが同航空とのリース契約を一方的に破棄し、機体のリース先としての登録が抹消されていた。
このためアドリア航空は24日以降、首都リュブリャナ~独フランクフルト間など一部の便を除いて全てのフライトを停止。1万5,000人以上の乗客に影響が出ていた。
スロベニアのポチバルセク経済相は「アドリア航空の破たんはスロベニア経済と観光産業にとって大きな痛手だ」としたうえで、新たなフラッグシップキャリアを設立する可能性を示唆した。