ロシアとセルビア、原子力研究センターを共同設置

ロシア原子力公社(ロスアトム)とセルビア革新・技術開発省は19日、セルビアにおける原子力研究センターの共同設置に向けた政府間協定に調印した。メドベージェフ露首相がベオグラードを訪問したのを機に調印されたもので、着工に必要な法的条件が整った。プロジェクトの具体的な日程は明らかにされていないが、ロスアトムのリハチョフ社長は「できるだけ早く」実行に移したいと話した。

研究センターの名称は「原子力科学技術イノベーションセンター」で、最高出力20メガワットの加圧水型多目的試験炉と付属施設を併設する。医療用・産業用・農業用放射性同位元素(ラジオアイソトープ:RI)の生産や、「中性子ドーピング法(NTD法)」によるシリコン半導体の生産に役立つと見込まれている。

ロシアとセルビアは昨年5月、原子力の平和利用に向けたイノベーション・技術開発で提携することを内容とする共同宣言を採択。今年1月のプーチン大統領セルビア訪問時に政府間協定を結んだ。同時に研究センターの共同建設に向けて共同宣言を採択した。