独系エンジニアリング大手のリープヘル(スイス)が、ロシアの天然ガス大手ノバテクが北極圏で進める液化天然ガス(LNG)生産事業「アークティックLNG2」で使用するクレーンの生産を現地化する意向だ。産業貿易省が16日明らかにした。国営タス通信によると、現地生産の場所については中南部のチェリャビンスク州が関心を示している。
アークティックLNG2では3基のLNGプラントを建設し、合計で年間1,980万トンを処理する。ギダン半島の陸上ガス田に予定されている同プラントは2022年から23年にかけて操業を開始する予定。
リープヘルは2011年にロシアに進出した。石油開発関連では1999年に操業を開始した極東サハリンのオフショアプラットフォームにクレーンを設置しており、現在機材を更新中だ。昨年にはロシアの重機レンタル会社トップクランから大型クレーンを受注している。
ロシアのノバク・エネルギー相によると、アークティックLNG2の総事業費は210億ドルに上る見通し。同事業をめぐってはノバテクが今月に入り、三井物産および石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と投資受入れで合意した。すでに仏トタル、中国石油天然気集団(CNPC)、中国海洋石油集団(CNOOC)とも契約している。