チェコPPF、東欧放送大手CMEを買収

チェコ富豪ペトル・ケルナー氏が率いる投資会社PPFは28日、米国資本の放送会社セントラル・ヨーロピアン・メディア・エンタープライズ(CME)を買収する契約に署名したと発表した。取引額は約19億ユーロ(21億ドル)。CME株主総会および競争当局の承認を経て、来年第2四半期に取引が完了する見通し。CMEの筆頭株主である米AT&Tは約11億ドルの売却益を得ることになる。

CMEはチェコのプラハに本拠を置き、同国のほか、ブルガリア、ルーマニア、スロベニア、スロバキアで放送事業を展開する。チェコ民放最大手のノヴァを含む30チャンネルを運営し、5カ国全体の潜在視聴者数(人口)は4,500万人を超える。

ケルナー氏は今回の取引について、自社の「中東欧電気通信事業をCMEが補完する」という見方を示した。「コンテンツ制作・提供でのシナジー効果」を見込んでいる。PPFは2014年にスペイン通信大手テレフォニカのチェコ・スロバキア事業を取得している。

米『フォーブス』誌の2019年チェコ長者番付によると、ケルナー氏は保有資産額が推定3,500億コルナ(137億ユーロ)に上る、同国一の富豪だ。1990年代の民営化でその礎(いしずえ)を築いた。(1CZK=4.73JPY)

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